かぷりば オンライン
ふわふわピンク
こころちゃんの好きな色。

こころ

welcome to my world.やりたいことを好きなように気まぐれ〜に。のんきな性格。ひるねをよくする。

こころの読書日記

「こころの[My Bookshelf] 「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ」

2025.08.10 「あと少し、もう少し」 瀬尾 まいこ 作

https://www.shinchosha.co.jp/book/129773

昨年読んだ「君が夏を走らせる」の巻末、本紹介のページでタイトルを見つけた。あらすじを読むと、そこにはなんと、大田くんの名前が、、!
そういえば大田くんって駅伝出たって言ってたっけ、もしかしてその時の話なのか?読みたすぎる!と心がざわつき、Amazonの購入ボタンを押した。

この本は、市野中学校陸上部が地区駅伝大会に出場し入賞。県大会に出場する、という話。
しかし!名物顧問が異動し、陸上部も3人しかおらず、出場すら危うい状況だった。
そんな機器的状況からどう乗り越えたかが見どころ。
この1つの出来事について、駅伝メンバー6人それぞれの視点で描いた上で、主人公・桝井 日向のゴールでつなぐ構成をしている。

この作品での大田くんは中学3年生。
「君が夏を走らせる」では、派手な見た目をしている反面、ぶっきらぼうだけど優しい人。という印象を受けたけど、こちらでは、もう何もかも諦めかけていて、でもなんか、どっかで自分を変えなきゃヤバイ・・・。みたいな、そういう葛藤を抱いているように見えた。
学校にはいっているけど、授業はまともに受けてなくて、そんなときにやってきたのが、部長の桝井くんだった。
桝井くんは中学最後の駅伝大会に出場するためにメンバーを探していた。
しつこく誘う彼を嫌がっていたけど、だんだん気持ちが傾いていき、とあることが大きなきっかけとなりメンバー入りしたのだった。

大田くんの走りは何度もスパートをかけて、相手との距離をガンガン詰めていく。
自身の血の気の多い性格や、仲間への熱い気持ちや葛藤・・・、何より走ることを純粋に楽しんでいるように見えた。よかったね大田くん・・・🥹
この経験を経てあの大田くんにつながるのか!!と、またあの本を読みたくなる。これぞ無限ループである笑

粘り強く大田くんを誘っていた桝井くんだけど、彼もまた原因不明の不調に悩んでいた。自信が不調の時に悪い結果を残すわけにはいかないという気持ちはあっても、身体が動かない。なぜ・・・?

前に読んだ本繋がりで出会ったので、大田くんの話ばかりになるけど、他の駅伝メンバーにも、それぞれ思いがあって、ゴールしたときには、とても爽やかで、でも心が熱くなっていた。

この本を読んでいて、ふと、学生時代の恩師が学校文集に載せていた文章を思い出した。

「自分の殻を破れ」
「物事を一面だけではなく別の角度からも見てくれ」

「殻を破る」という言葉の意味を調べてみた。

「これまでの習慣や考え方、固定観念といった自分を縛り付けているものから脱却し、新しい自分に変わること」

これだ。

恩師が本当はどんな意図であの文を書いたのかは分からない。でも、この本の登場人物を見て私が思ったことと完全一致していたのだ。彼女もかつてのあたしたちを見て、こう思う瞬間がたくさんあったのだろう。数年経った今なら、彼女の気持ちがわかる気がする。

自分の殻を破るのって、とっても勇気のいることだと思う。
だってそれは自分を守る鎧のようなもの。
この本の彼らはまだ中3や中2。
そして、あたしが恩師と出会ったのも高1の頃だった。
「学校」という狭いコミュニティでうまくやるには殻にこもって自分を守らないといけないことだってある。

大田くんが、いわゆる「不良」な振る舞いをしていたのは、「やってもできない自分」が周りにバレるのが怖かったから。この本に登場する生徒たちは、みんな殻にこもっているよう見えた。そして、恩師と出会った頃のあたしも、みんなに嫌われたくないように必死で、本当の自分でどんな人間か分からなくなっていた。

彼らのこういう姿を見て、あたしは「殻を破れ」と思ったし、恩師も同じように思ったのかもしれない。

巷ではよく、「若さ」を「青い」と表現することがある。前述のような未熟さや、一心不乱に困難へ立ち向かうエネルギッシュさに、人々は「若さ」や「青さ」を感じるのだろう。日本語って奥深いんだなあ。

自分も少し大人になれたのかなーとほんのり思えた一冊だった。