「かぷりば通信5」
初夏のある日、金山小学校の校長先生から一本の電話が来た。
地域おこし協力隊としての活動や、かぷりばの取り組みについて、子どもたちに話をしてほしいとのことだった。
小学校6年生の教室を訪問し、自分が金山のどんなところを好きなのか、そして、なぜこの町で協力隊、本屋をしているのかを語った。
子どもたちが興味を持ってくれるか少し心配だったけれど、質問コーナーになると次々に手が上がった。
本屋のことはもちろん、「金山の中で川村さんの好きなところは?」「逆に行ったことがないところはどこですか?」と質問が飛んできた。行ったことがない場所をいくつか答えると、「じゃあ、僕が今度案内します!」と言ってくれる子もいた。
将来的には店舗として物件が欲しいと話すと、「家の隣の空き地はどうか?」「あの空き家はどうか」と真剣にアドバイスをくれた。
その姿に、金山愛が強く、能動的な子たちだな、と思った。
この授業をきっかけに、「有志の小学生たちで、かぷりばのお手伝いをする」という話が持ち上がった。そして、8月の金山まつりに「おまつり本屋さん」として、一緒に出店することになった。当日は10名ほどの小学生が集まってくれた。子どもたち自身でおすすめの本と今日の運勢を書いたおみくじ「ほんみくじ」を手作りし、お祭りに来てくれた人たちに元気に配った。

それ以来、マルシェなどのイベント出店にも、小学生たちがお手伝いに来てくれるようになった。本が好きな子、イベントのわくわくした雰囲気が好きな子、ただおしゃべりをしに来る子。さまざまな子たちが、かぷりばに来てくれる。
彼ら・彼女らは中学生になったけれど、今でもたまにお手伝いに来てくれるし、まちですれ違うとおしゃべりをしたりもする。
接客を通して子どもたちがハブになり、まちの人と、まちの外から来た人を繋いでいる姿が見られて嬉しかった。

かぷりばが目指す交流拠点は、気づいたら自分の好きなことや得意なことが引き出されてしまう場所。子どもたちが遠慮なく目の前の大人に「何が好きですか?」「普段どんな本を読みますか?」「ならこれがおすすめです!」と迫っていく。自然と自分のことを喋ってしまう。
子どもたちがかぷりばの理想の姿を見せてくれた。
