「金山移動ログ 005」
▽台風が心配される中、飛行機は無事に飛んだ。東北の台風は秋に多い印象があり、梅雨時期の今回は大きな影響を受けずに済んだ。金山で深呼吸する。澄んだ空気が肺に満ちる。金山に戻ってきた、という実感が少し遅れて体に届いた。

▽金山杉のランプを購入した。板目の曲線が幾重にも重なり、明かりを入れると木目が赤く浮かび上がる。工芸品というより、小さな森を四角く切り取ったような存在感がある。父親が気に入ったようで、代わりに買った。いまも実家で、夜の足元を静かに照らしている。旅先で手に入れたものが、別の場所の日常に入り込んでいくのは面白い。

▽東根でさくらんぼを購入した。直売所には全国各地から来た車が並び、500グラムや1キログラムのパック、段ボール入りの商品が次々に売れていく。果物好きの私も、普段なら買わない量をつい手に取った。帰ってから器に盛ると、赤い粒が山のように積み上がる。旬とは、少し多すぎるくらいがちょうどいいのかもしれない。季節を買い、季節を食べる気持ちよさがあった。

(いしかわ)